フェルデンクライス・メソッドとは

創始者フェルデンクライス博士(物理学者1904〜1984)は自分自身のひざの大けがを治すために研究し健康法を作り上げました。身体の動きを通して気づきを深め、快適な動きを学ぶ「からだと脳のトレーニング」です。グループでおこなうATMレッスン(Awareness through Movement:動きを通しての気づき)と、講師と生徒が一対一でおこなうFIレッスン(Functional Integration:FI 機能の統合)の2種類です。




私の体験談 その1
 私は生まれつきの斜視、膝蓋骨亜脱臼の手術を複数回受け、頚椎損傷、鎧がへばりついたような肩こり、腱鞘炎、慢性ぎっくり腰、アトピー等とかなりアンバランスな身体の持主です。
 いつも自分に対して不安で自信がなく、仕事も人間関係も常に緊張して、他人の目を気にしながら頑張ってきたように思います。

 フェルデンクライスは先生の言葉を聴いて浮かんだイメージでゆっくり動きます。「この動きでよいのだろうか」「他の人はどうしているんだろう」ちょっとドキドキ…。
 お手本を見ないので、あれこれ脳が働き、いつもの自分の思考回路や身体の癖がもろに出てきます。「子どもの頃のように好奇心いっぱいに身体を動かしましょう」と先生は言うけれど、日常生活では、やらないような動きが多いのですぐに力が入って緊張状態になります。それでも何度かやっているうちに、少しずつ力も抜け、人の目も気にせずに“もにょもにょ”と楽しく動けるようになり、気持ちも身体もラクになりました。
 レッスン中、『自分を観察』し『気づき』、そこから何かを学びます。日々、人間は変化しているのですから『気づき終わること』『学び終わること』はありません。
 レッスンを繰り返し受け、脳が心地良い動きを学び、自分の行動パターンの選択肢を増やしていくとアンバランスな私の身体でさえも『安心できる軸』が見えてくるのが不思議で面白いです。                    (つづく)